<高額な薬物療法どう考える>
8月15日     おはようございます
手術と抗がん剤、放射線治療につづく4番目の有力ながん治療法として注目されているのが、オブジーボに代表される「免疫チエックポイント阻害薬」です。
免疫細胞は常に体の中を監視し、細胞、ウイルスなどのほかがん細胞も異物として排除します。
しかし免疫の働きが強くなりすぎるとアレルギーや関節リウマチといった自己免疫疾患などが発生してしまいます。
免疫力を自ら抑制する仕組みが備わっており、これは「免疫チエックポイント機構」と呼ばれています。
しかし、免疫力の調整機能に強引にブレーキをかけるわけですから、免疫細胞が正常な臓器をも攻撃しやすくなり、副作用も起こりやすくなります。
また、費用も非常に高く、オプジーボは当初の半分以下まで値下げされましたが、それでも年額1300万円以上の医療費がかかります。ただ、進行した肺がんや胃がんなどは健康保険が使えますから、個人の負担額は限られます。
オプジーボの2016年の売上高は1千億円超でしたが、これは放射線治療全体の医療費とほぼ同額です。
今後も次々と開発されるがんの超高額な薬物療法をどう考えていくかは、国民皆保険制度を維持する上で非常に重要です。
以上のように、高齢化と共に、がん治療をしなければいけない患者さんがたくさんおられる社会の中で高額な薬物療法で助けられる命がどれだけおられるか?
又、日本の健康保険制度で高額な治療を受けて、医療制度が維持できるのか、直近の政治課題だと思うのですが皆さんどうお考えでしょうか。