<年金の一括受給>
2023年5月1日    おはようございます

老齢年金の受給開始時期を繰り下げる予定の人が70歳以降に過去分を一括受給すると、時効で直近5年分しか受け取れない上、繰り下げ加算は対象外になるという問題がありました。
ただし、2023年4月に年金繰り下げ制度が一部改正され、あまり心配する必要はなくなりました。

この改正は「特例的な繰り下げみなし増額制度」と呼ばれています。
70歳以降に一括受給を請求した場合、申し出は5年前にしたとみなす仕組みで、71歳の時に請求すると、5年前の66歳の時点で申し出たとみなされます。
これにより65歳の12か月間が年金受給を繰り下げた期間と認められ、年金額が加算されます。
一括受給する過去5年分の金額も増えるのです。

注意点もあります。
年金の繰り下げ受給の申し出は、受給権を持つ本人しかできません。
繰り下げ待機中に受給権者が死亡しても、遺族は特例を使えません。
繰り下げ予定の間に、本人が深刻な病気になった場合などは、早い目に一括受給を検討しましょう。
一括受給することで、過去に遡って税金など再計算しなくてはならないことがあるので、留意してください。

以上のように、年金制度も変更が毎年のようにありますのでよき注意して自分に関係のある改正はよく内容を吟味して活用していきましょう。